百年前新聞

2018-04-22

百年前新聞とは?

太平洋汽船が航路廃止通告、パウル・エーリッヒ没ほか

大正4年8月21日

大正4年(1915)8月20日の出来事一覧

【経済】太平洋汽船会社が航路廃止通告
【スポーツ】大日本体育協会第二回水上大会
【社会】実費診療所の大正4年上半期実績
【第一次世界大戦】ノボゲオルギエウスク陥落
【中国】袁世凱帝政問題の進捗
【訃報】パウル・エーリッヒ (ドイツの化学者)
【訃報】カルロス・フィンレイ (キューバの医者)

<国内>

太平洋汽船会社が航路廃止通告

アメリカの太平洋汽船会社が、所有する5隻の船を大西洋運漕会社に売却するため、太平洋航路を廃止する旨を通告しました。
欧州戦争により大西洋航路がひっ迫しているため、太平洋から大西洋に船を回すという決定です。大西洋航路の運賃も暴騰しているため、経済上も理に適った選択です。

これにより太平洋航路(中国-日本-アメリカ)は、日本船舶の独占状態となります。
大戦の勃発以来、運賃が高騰し海運業社は異常な好景気となっていますが、更なる好景気が見込めそうです。

大日本体育協会第二回水上大会が開かれる

大日本体育協会(会長:嘉納治五郎)主宰の、第二回水上大会が、芝浦埋立地ロセッタ跡で開催されました。

<優勝者と記録>

 100m 鵜飼弥三郎 横浜体育研究会 1分10秒8
 200m 奥田寛 安房中 3分4秒5
 400m 鵜飼弥三郎 6分23秒 (大会新記録)
 800m 玉井音次郎 大日本水術練習所 14分9秒

当時の泳ぎ方は、日本泳法とクロールが混合したようなものだったといわれています。

(*2015年の日本記録: 100m 48秒4, 200m 1分45秒2, 800m 7分49秒7)

実費診療所の大正4年上半期実績

加藤時次郎氏が昨年開設した社団法人実費診療所の上半期の取扱い延べ人数は、349,870人と発表されました。

昨年の同期実績は、157,504人であり、大幅な増加となっています。
なお、今年から大阪支部を開設したため、大阪支部の人数を121,725人を差し引くと、東京では228,145人となり、約7万人の増加となっています。

実費診療所は、加藤時次郎医師の「安価で低所得者でも医療が受けられる仕組」という考え方に基づいて設立され、着実な支持を受けています。

関連記事

<海外>

欧州戦争戦局



ノボゲオルギエウスク陥落

ワルシャワ北西部の要塞ノボゲオルギエウスクが陥落しました。
ノボゲオルギエウスク占領時に、ドイツ軍はロシア軍兵士2万人を捕虜とし、8月20日全体では8万5千人の兵士が捕虜になったと報道されています。

ブレスト・リトウスクにもドイツ軍の攻勢が始まっており、ポーランド全体がドイツ軍の手に落ちそうな形勢になっています。

袁世凱帝政問題


楊度(Wikipedia)

中華民国に君主制の採用を求める団体籌安会(ちゅうあんかい)が、会則を制定し、理事長には参政楊度、副理事長は孫毓筠(いくいん)が就任しました。

会則では、会の目的を「学理を発揮し世論を定め、国民の研究に資する」としており、帝政反対派に対する配慮か、初めの気勢よりは後退した表現となっています。

一方、籌安会に反対する一派は、別に国是討論会を行い、対抗を始めました。

<このとき>

訃報

パウル・エーリッヒ


エーリッヒと秦(wiki)

ドイツの細菌、生化学者。1854年生まれ、享年62歳。

彼の研究は、血液学、免疫学と多岐に渡り、1908年にノーベル生理学・医学賞を受賞。
日本人秦佐八郎と1910年に共同開発した梅毒治療薬606号サルバルサンは有名です。

以下、8/23読売新聞より


606号発明者逝く
ロンドン電報によれば、彼の有名なる606号の新薬を発明せるエーリッヒ氏は、突然卒去せりと伝う。行年62。氏は昨年冬頃よりニコチン中毒にて健康を害しいたりというが、氏が生前発表せる論文は約600種に上り、何れも学会に貢献すること大なるものがある。
特に世界を驚倒せしめたるは、少年時代において生活体に酸素が必要なりという研究、中年には側鎖説の研究、晩年においては化学療法の研究にて、これらを基礎として研究発見されたりしもの実に606号サルバルサンなり。
博士の研究がますます臨床的に進みつつあるさい、突としてその訃報を聞く。学会のため惜しみても余りありというべし。

敵国のドイツ人でありながら、好意的な文章となっています。

カルロス・フィンレイ

1833年12月3日生まれ、享年81歳。
キューバの医師で、黄熱病が蚊によって伝染することを発見しました。

Google doodle 2013/12/3 (フィンレイ生誕180周年 *スペイン語版)

その他

・台湾に「児玉総督及び後藤民生局長官記念館」が落成。(現国立台湾博物館)

・誕生日: 倉富 勇三郎 62(司法・宮内官僚)、レイモン・ポアンカレ 55(フランス大統領)


索引語:スポーツ ドイツ ポーランド ロシア 中国 健康・医療 台湾 産業 第一次世界大戦 訃報 経済

Posted by 主筆 at 2015/08/21/11:44

follow us in feedly
このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事へ 次の記事へ