百年前新聞

2018-04-25

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米価の暴落、大浦前内相不起訴関連ほか

大正4年9月24日

大正4年(1915年)9月23日の出来事一覧

【政治】ロンドン宣言への加入
【経済】米価の暴落
【海軍】第一艦隊司令長官交代 吉松中将へ
【司法】大浦前内相不起訴に関して
【社会】長与又郎氏がツツガムシ病源を発表
【ロシア】モスクワで市民大会

<国内>

ロンドン宣言への加入

大隈首相兼外相は、イギリス大使グリーン氏、ロシア大使マレウィッチ氏、フランス大使ルニョー氏を首相官邸に招き、日本のロンドン宣言(単独不講和)への加入が、閣議決定されたことを伝えました。

米価の暴落

ここ数日米価が10円台に落ち込んでおり、明治45年の最高価格23円65銭と比較すると、半値以下に落ち込んでいます。
昨年に引き続き今年も豊作が予想され、収穫量による価格の下落ものもありますが、行き過ぎた投機の影響もあります。
半年前に、政府は米価調節のため米の買い入れを実施しましたが、当時の価格は14円30銭で、政府の損失は126万円にもなっています。

農民の生活に重大な影響があるとして、米価調節委員会を開催して、対応方法を協議する予定です。

関連記事:女学生の帰省が少ない

第一艦隊司令長官交代 吉松中将へ


吉松茂太郎氏

第一艦隊司令長官が、藤井較一中将から吉松茂太郎中将となる、人事異動がありました。

加藤友三郎中将(当時)が海軍大臣に就任したことに伴い、藤井中将が第一艦隊の司令長官になって一ヶ月半しか経っておらず、この人事異動に不審の声もありましたが、藤井中将が眼病を患い、しばらく静養するための交代と発表されています。


大浦前内相不起訴に関して


昨日発表された大浦事件の予審結果で、大浦前内相が不起訴になっていることに関して疑問の声が上がっています。

平沼騏一郎検事総長(48)へのインタビュー

記者「大浦前内相は涜職事件に関しても、また一万円事件に関しても起訴されていないのですか?」

平沼検事総長「さよう、起訴してありません。」

記者「予審の決定書を見ると、大浦は麻布の私邸ならびに貴族院大臣室で、数回に金4万円を林田亀太郎に交付し、代議士を買収した事実が明白になっています。罪状がこのように顕著で、且つこれを受けた者がことごとく有罪になっているのに、贈賄の本家本元である大浦氏が起訴されない理由をうかがいたい。」

総長「その点は明確にすべき必要ありと信じているので、高松の公判で検事より詳細に説明させることになっている。」

記者「法律問題としてはそれでも良いかもしれませんが、この問題は世道人心に影響すること甚大なものがあると思います。日本の道徳では、すべて責任問題の起った場合に、位の高いものが主として責任を負い、位が低いものほど責任が軽いことになっています。この問題はそれと反対です。」

総長「なるほどもっともな質問であるが、その点もまた高松の公判で検事より説明させることになっているから、それまで待ってもらいたい。」

政友会某幹部談 追及の必要なし

予審調書を見ると、大浦前内相が涜職事件の主導者であることは明瞭である。いかに謹慎の意を表したとはいえ、かく明瞭なものをうちすてて審理をすることは刑事政策の問題ならばともかく、社会風教上からみて果たしてどんなものか。

しかしこれについては司法当局も十分に意を致したことであるし、平沼総長も勧善懲悪の目的を達すればそれでよいじゃないかといっているということであれば、政友会としてもはじめより私心ありしにあらず、ひとえに道義信念に訴えて前内相の反省を促したのだから、今日はもう追及する必要ないと思った。

法律関係者の談

決定書中、大浦氏に対する罪状は歴然である。かくのごとき事実があり、検事が起訴しないことは、単に法律家のみならず、一般国民が納得できないことである。巨魁者は罪とならず、これに雷同した者のみを罪するようなことが、どこにあるだろうか。

世人は司法権は独立なりと思っているかもしれないが、これは大なる間違いである。独立かと思えば、行政権に盲従する点もあり、すこぶる朦朧としたものである。

長与又郎氏がツツガムシ病源を発表

伝染病研究所の長与又郎博士が、ツツガムシ病の病原を発表しました。

ツツガムシ病は、従来は病源に関して、一定の説がありませんでした。
北里柴三郎博士は数年前新潟県下で発生した同病を研究し、原虫が原因であるとしましたが、新潟の医師より欠陥を指摘され、学術的報告としての価値が疑われることとなっていました。
帝国大学の緒方博士は、ツツガムシ病の原因をばい菌の一種として、この療法に梅毒同様サルバルサンの使用を試みていました。

長与博士によると、ツツガムシの病原は、マラリヤの原虫と酷似した原虫説で、療法には緒方博士のようにサルバルサンの注射が有効、と発表しています。

関連記事: 8月29日長与博士のツツガムシ研究

<海外>

モスクワで市民大会

政局が混乱しているロシアで、副首都のモスクワで市民大会が開かれ、国会の早期開会、内閣の改造を、皇帝に奏請することが決まりました。

<このとき>

出来事

・アフリカ東部のエリトリアで、地震が発生しています。観測機器が設置されていなかったため、詳しいことは分かりませんが、被害の状況から比較的大きな地震であったとされています。

・ドイツ軍に占領されたワルシャワで、郵便局の設立が許可されました。旧来のロシア郵便局を活用し、ドイツによる検閲が行われています。

ロシア革命の貨幣史・ドイツ占領下ポーランド・ワルシャワの臨時切手


索引語:アフリカ ロシア 健康・医療 司法 学問 海軍 生活

Posted by 主筆 at 2015/09/23/17:19

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