百年前新聞

2018-05-24

百年前新聞とは?

石井菊次郎外相就任ほか

大正4年10月14日

大正4年(1915年)10月13日の出来事

【政治】石井菊次郎氏 外相就任
【経済】全国銀行家大会 京城で開催
【経済】染料保護法の公布
【社会】伝染病研究所の官制公布
【文化】第二回 二科展が開催
【社会】リデル院長の奔走に、尾崎司法大臣のテオドラ夫人が書状
【社会】高田文相が京都帝大を訪問
【中国】帝政問題の進捗

<国内>

石井菊次郎氏 外相就任


石井菊次郎氏

一昨日、神戸に到着していた石井菊次郎氏が、午前8時40分大隈首相とともに東京駅着の列車で帰京しました。
大隈首相と同時ということもあり、東京駅では岡陸相、フランス大使、ベルギー公使、元外務大臣内田康哉氏等々、200名が出迎えをしています。

午後2時より、宮中の御座所で、外相親任式が行われました。

石井菊次郎氏の略歴: 8月13日

石井新外相の対外状勢観

現時点での協商国側の敗因は、準備が不十分だったためである。
フランスは、ドイツがベルギーを攻撃すればイギリスも参戦することになるから、ドイツはベルギーを攻撃しないだろうと予想していた。よってベルギー方面の防御は手薄で、独仏国境ばかり固めていた。ベルギー方面は、1880年代の大砲で表面を糊塗していたに過ぎない。逆にドイツはそれを逆手にとり、ベルギーから侵入したのである。

フランス国民の敵愾心ははなはだ強く、姑息な講和を結んでまた10年後に戦争を行うより、今回の戦争で一切の清算をするよう、最後まで戦う決心をしているようだ。

フランスでも日本出兵論は盛んに言われ、バルカンの動揺とともにまた出兵論が再燃しているようである。フランス人は日本の兵力を過信し、80万人は欧州に送れると思っている。だが事情通は日本に出兵を迫るのは無理な注文とし、むしろ日本にロシアへの武器供給をさせようとしていて、これがロシアが軍需品を注文してきた理由である。

日支交渉(*二十一か条要求)に関しては、中国に関係するイギリス商人達の不満はあるようだが、日本の要求に無理なものは一つもなく、何人が局に当たっても当然の要求である。よって、このような要求をする際に、強い言葉を使うのは当然のことである。フランスでも歓迎する者はないが、やむを得ないと思っているようである。

全国銀行家大会 京城で開催

全国銀行家大会が、朝鮮の京城朝鮮ホテルで開催されました。朝鮮、満州、内地から、105名の銀行家が出席しています。

寺内総督も来場し、
「朝鮮の金融機関は、併合時には銀行数は70行だったが、現在は100を超えている。運転資金も、大幅に増えた。事業家の協力により、ますますの発展を希望する。」
と述べています。

染料保護法の公布

13日午後、農商務省に渋沢栄一男爵等の実業家が訪れ、官僚と協議。長らく問題となっていた染料保護法は、14日の官報で公示されることになりました。
細かい実行方法に関してはまだ議論があり、なお数回の会合が予定されています。

世界大戦により、主にドイツからの輸入に頼っていた染料の輸入が途絶え、染料の国産化を奨励する法律です。

伝染病研究所の官制公布

伝染病研究所の官制が改正され、管轄が内務省から文部省に移ることになりました。
これにより、伝染病研究所は東京帝国医科大学との関係が深くなります。

第二回 二科展が開催

東京の三越で、第二回の二科展が開催されました。

文部省展覧会では、日本画に第一科、第二科とあり、絵の新旧で分かれています。洋画にも新旧が出てきたので(*象徴主義等)、洋画も新旧に分けて欲しいと文部省に請願したところ、文部省から却下されたため、昨年洋画の第二科として独立の展覧会を開くことになりました。

展示数は、140点。油絵が111、水彩が18、その他が11点。作家は53人で、会員が10名、一般応募が43人です。

リデル院長の奔走に、尾崎司法大臣のテオドラ夫人が書状

熊本回春院病院の院長ハンナ・リデル女史に対し、皇后陛下から御下賜金があったという報道に対して、尾崎法相テオドラ夫人が読売新聞に対して書状を送っています。

「私どもも、昨年経営が困難であることを聞き、微力ながら相当な努力をしました。篤志者から、5000円以上の寄付金を集めました。
このような事業は、よほどの資金が無ければ困難でありますから、出来るだけ物質的な補助をしなければなりません。日本人の病人を、外国の婦人が艱難しながら救っていることを、日本人として傍観しているわけにはいくまい、と思います。」

高田文相が京都帝大を訪問


高田早苗氏

関西を訪問している高田文部大臣が、京都帝国大学を訪問しました。

新聞記者の突然の写真撮影にも、「新聞は実に奇想天外なことをするものだねー、まぁどうとでもしてくれたまえ」と、にっこりとレンズに向かわれました。
物理学の説明では「こんなデリケートな研究は私には分かりかねます」と丁寧な言葉遣いで、教官が当惑。実験中の学生には、「勉強ですか」と声をかけています。
故木下広次総長の銅像の前では、山高帽を取り、恭しく敬礼し、居合わせた人々は感心していました。

60余名の教官と午餐を共にし、問題となっている新大学令に関しては一言も口にせず、教官からは「高田サンもだいぶずるくなった」と評されています。

「文部省は宗教局も監督しているから、お寺詣でもせねばならぬ。」と、その後、お寺を訪問されています。

<海外>

中国帝政問題

袁世凱総統の皇帝就任に関する選挙は、12月2日挙行と発表されました。

<このとき>

出来事

・アメリカのセントルイスで、ヘンリー・ギッセンバイヤー氏が、「青年の力を結集して大衆社会への奉仕をする」として、Young Men’s Progressive Civic Association Juniorを結成しました。(現在の青年会議所)
 辰野青年会議所ホームページ

・タイで、首都警護局と内務省地方警察局の二つを一つの局に統合し、地方警察局および警護局となりました。タイの「警察の日」の始まりということです。
 タイまで575万歩

・土方久元伯爵が、牛久葡萄園を訪れています。
 シャトーカミヤホームページ
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誕生日

片岡 直温 (56) 衆議院議員(同志会)、日本生命社長


索引語:朝鮮 政治 社会 健康・医療 産業 教育 文化 訃報 美術

Posted by 主筆 at 2015/10/13/19:51

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