百年前新聞

2018-01-21

百年前新聞とは?

新宮の誕生、陸軍大観兵式、インド革命党員退去問題ほか

大正4年12月2日

読売新聞


大正4年(1915年)12月2日の出来事

【皇室】新宮の御誕生
【陸軍】大観兵式
【政治】第37議会の模様
【社会】インド革命党員国外退去問題
【書評】賀川豊彦「貧民心理の研究」

国内

午後7時35分、皇后陛下が男子を出産されました。母子ともに御健全です。

皇后陛下は、当日も普段通りの生活をされ、大観兵式で空中を飛んでいた飛行機を双眼鏡で眺めたり、穏やかな一日を過ごされていました。

夕方になり陣痛が始まり、午後7時ににわかに産気づき、わずか35分で御分娩。
体重930匁(3490g)の健康な男の子です。

すでに3皇子があり、加えて男子が生まれ、国家の隆盛、皇室の御繁栄は間違いありません。

陸軍大観兵式


大阪朝日新聞

大正天皇の即位を奉祝する、大観兵式が行われました。

近衛師団から、台湾、関東州、朝鮮駐箚軍、青島守備軍までを合わせた、総員3万8915人の兵士と、馬匹5000、砲192門が集まり、観衆を含めると15万人にも上ります。

天皇陛下は、黒毛たくましき愛馬ダップに騎乗され、兵士の分列式を御親閲されました。


飛行船雄飛号

飛行船雄飛号が現れ、天空500mで日章旗を掲げ、陸軍航空隊の飛行機10台も現れます。

観覧席正面で、先頭の岡大尉が国旗をかざしたところまでは順調でしたが、観覧席の頭上で風にあおられ、急角度で左回転し、観覧者がアッとする一幕もありました。

飛行隊の一人は、

「初めのうちは整っていたが、地上16m、上空では20mの風で、隊形が乱れてしまった。今にもひっくり返るか、後列と衝突するかと心配だったが、命拾いした。」

と語っています。

在郷軍人会の御親閲


大阪朝日

観兵式が終わった後、陛下は宮城内御車寄で、在郷軍人を御親閲されました。

観兵式に集まった、各地の在郷軍人会分会長6、600名と、旗手4,500名は、宮城まで行進。
在郷軍人への御親閲は初めてのことで、皆大感激をしています。

在郷軍人会会長の寺内正毅(大将、朝鮮総督)の発声により、一同が万歳を三唱し、終了しました。

衆議院 - 島田議長失態問題起こる

衆議院では、開会の2時になっても議席の大部分が空席で、30分ほど待ちましたが、総員381名のうち、107名しか出席していませんでした。

与党の同志会、中正会、公友倶楽部は、全院委員長を誰にするかの調整がつかず、出席が遅れています。

野党政友会からは罵声が飛び交い、島田三郎議長は2時30分に50分の休憩を宣言しました。

2時35分に中正会、2時40分に公友倶楽部、2時45分に同志会の面々が現れ、ようやく議員が揃いましたが、島田議長は休憩で不在にし、3時20分にようやく戻ってきました。

「2回も出席者を数えて少数のため議事を開かず、休憩を宣言するのは議院法を無視するものである、規則によれば休憩ではなく、延会を宣言すべきだ」として、野党から島田議長の問責動議が出され、投票により否決されています。

第37議会も波乱の幕開けとなりました。

インド革命党員国外退去問題

2日までに国外退去を命じられていた、インド革命党員2名が行方不明となっています。

警察では、2名の巡査に加え、2名の刑事を尾行させ監視を強化していました。

1日の夜、インド革命党員2名は、支援者の頭山満邸を訪れました。
警察が門前で張り込んでいましたが、11時になっても帰る様子がなく、邸内の電気も消えてしまい、頭山家に両名の在否を確認すると、9時頃に立ち去ったとのこと。

警察は大捜索を開始しましたが、行方が分かりません。

2日の上海、香港行きの船にも乗っておらず、警視庁では頭山邸に隠れているのでは、と頭山邸を訪れましたが、見つかりませんでした。

警察では、引き続き捜索を続けています。

(*2名は、新宿中村屋を営む相馬夫妻のもとに逃げ込んでいます)

書評:賀川豊彦「貧民心理の研究」


賀川豊彦氏

賀川豊彦氏(27)が、先日「貧民心理の研究」を出版しました。
これについて、米田庄太郎氏(社会学者)がコメントしています。

「著者自ら、4年8か月、貧民生活に身を投じて作った本である。貧民心理そのものを対象として、組織的に研究した著作は欧米にもまだ無いと思われ、非常に価値のある本である。」

海外

中国の帝政問題

国体変更の請願協会が、1500名の連署で、袁世凱の皇帝就任の請願書を提出しています。

このとき

出来事

・松井須磨子の一座が、大連で興行を行なっています。
・匿名組合日本無線電信製造所が設立されました。(現在の日本無線株式会社

誕生日

斎藤 実 (57) 元海軍大臣、海軍予備役大将


索引語:インド 皇室 陸軍 議会 社会 学問 書評

Posted by 主筆 at 2015/12/02/19:27

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