百年前新聞

2018-01-21

百年前新聞とは?

1916年(大正5年)4月11日~17日

大正5年4月12日

1916年(大正5年)4月11日の出来事

出来事

【中国】
中国公使が石井菊次郎外務大臣に、袁世凱への支援を要請

【科学技術】
逓信省が、三重県鳥羽-神島-答志島にTYK無線電話による公衆電報の取扱を開始。

【社会】
江藤新平、村田新八に正4位、前原一誠に従4位を叙位。
明治維新で逆賊とされていましたが、名誉が復活しています。

【鉄道】
越前電気鉄道で、新保駅が開業
(現在のえちぜん鉄道勝山永平寺線の越前新保駅)

【イギリス】
掃海艇「アスコット」が竣工

1916年(大正5年)4月12日の出来事

軌制調査委員会初日

4月11日に設立された、鉄道軌制調査会の初日が首相官邸で開かれました。

大隈重信(首相、会長)の訓示概要


・明治43年に、広軌の提案があり第27議会で広軌改築の予算が提出された。(*桂太郎内閣)
・衆議院で更に審議が必要ということで、予算は撤回された。
・明治44年に、広軌鉄道改築委員会が設立され、委員会は広軌改築の建議を行なった。
・明治44年8月に内閣が交替し、財源の見込みなしと閣議決定され、委員会も廃止となった。(*西園寺内閣)
・大正3年に現内閣となって、十数年来の懸案を解決しようとし、再度調査を命じた。
・鉄道院の提案に拘束されることなく、根本的に問題を討議して欲しい。
・広軌問題は、貴族院の希望であり、大正6年度の予算編成に関係があるため、それまでに審議を終了させることを希望する。

那覇築港竣工式

那覇は沖縄県唯一の貿易港で、船舶の出入も頻繁でしたが、港口と沿岸に暗礁があり、海底も浅く、大型船は港口に停泊する状況でした。
明治40年から改築が行われており、竣工式が行われています。

那覇・鹿児島間航路の拡充のため、更に拡張工事が予定されています。

その他の出来事


浙江省(赤) 黄色は既に独立宣言した州

【中国】
浙江省が独立宣言

先週の広東省に引き続き、浙江省が独立宣言をしました。湖南省でも独立の動きが始まっています。
政府内でも、袁世凱に大総統を退任するよう提言があった模様です。

【アメリカ】
パーシング将軍の討伐隊が、パンチョ・ビリャ軍を包囲、ビリャは脱出

内乱中のメキシコに介入したアメリカ軍が、反政府軍を包囲しています。頭目のビリャは脱出を果たしています。
関連記事:3月15日

【アフリカ】
フランスが、チャドをウバンギ・シャリ(現中央アフリカ共和国)から分離。AEF(フランス領赤道アフリカ)に編入。

【日本】
大蔵省、ロシア大蔵省証券1,550万円を引き受ける(ロシアへ売渡した軍艦3隻の代金)
11月20日から日本銀行を通じ市中に売却する予定です。
関連記事: 4月4日

【地方】
青森県で陸奥鉄道が設立。
(現在は、JR東日本 五能線の一部となっています)

1916年(大正5年)4月13日の出来事

江西省も独立


江西省(赤)

昨日の浙江省に続いて、江西省が独立を宣言しました。

なお、浙江省の独立に際しては、軍隊のクーデターで、袁世凱派の将軍朱瑞を捕えた模様です。

その他の出来事

【社会】
警視庁が、売薬部外品営業取締規則を公布。
強壮剤や毛生え薬などを規制する規則です。

【科学】
岡山県の富田村の除虫菊畑に隕石が落下。付近の住民約50人が落下現象を体験している、世界的にも稀なケース。
ライフパーク倉敷科学センターで閲覧可能です)

【陸軍】
森林太郎(鴎外)が、陸軍医務局長を退き予備役へ編入。

【地方】
栃木県那須塩原の乃木将軍別邸地に、乃木神社が創立される。
山地の住人さんブログより)

1916年(大正5年)4月14日の出来事

菜の花畑が減って麦畑が増加

大阪府南河内郡柏原村の農商務省農事近畿支場での話によると、ここ最近菜の花畑がめっきり減少したということです。

理由としては、菜の花を作るより麦を作った方が利益が多いためで、

・綿の実からも油が取れる
・綿は紡績用に作られており、油はその副産物なのではるかに安価である
・菜の花は豊凶の差が大きいが、麦はそれほどでもない
・製粉事業が発達して、麦の価格が上がってきている

ということから、菜の花畑が減って麦畑が増加しています。

その他の出来事

【科学技術】
アメリカの発明家エドワード・クラインシュミットが、タイプバー式ページプリンターに関する特許を出願。
(電信技術が向上)

1916年(大正5年)4月15日の出来事

日銀が利下げ発表

日本銀行が、金利を2厘引き下げることを発表しました。(日分2銭→1銭8厘)

改正の理由として、

・欧州戦争勃発後、対外貿易が空前の輸出超過、資金が市場に溢れている。
・市場を警戒する必要性から、これまで利下げ要求に対応していなかったが、市中金利とここまでかけ離れると弊害がある。(市中金利は1銭3厘程度)

ことを挙げています。

新聞紙上では、鉄道内債を発行する政府の計画があり、その売上を増加させるための施策では、と憶測がされています。

出来事

【社会】
山梨県甲村(現:北社市)の清水倫茂が、中央本線の煙害によって枯れ死した「信玄公旗掛松」の損害賠償を鉄道院に請求。
(中央本線建設前に、清水氏は路線の位置変更を上申していた)
関連記事:1915年12月10日

【産業】
浅野総一郎が横浜造船所を設立。
(浅野総一郎はセメント王で、東洋汽船のオーナー。第一次世界大戦の海運景気が背景にある)

【鉄道】
東海道本線に由比駅が新設。静岡県の興津~蒲原間。

1916年(大正5年)4月16日の出来事

大正天皇が伏見宮邸で観劇など

大正天皇が午後2時に御出門され、伏見宮邸で能、松旭斎天洋の奇術、御大礼、欧州戦争、スミス氏の宙返りの活動写真を天覧されました。
午後8時頃、御機嫌いと麗しく還幸されています。

大阪府が飛田を遊廓地に指定

大阪府が天王寺村の飛田を、貸座敷免許地として指定しました。(15日)

明治44年に難波新地の遊廓が大火にあった際、同所に貸座敷の設置が認められず、関係者はこの飛田を移転地の第一希望としていましたが、大阪府は断固として拒否をしていました。

この度許可を出したのは、この窮乏にあえぐ失業者対策という意味もあるようです。
「難波新地で焼け出された、135店に限り営業を許可する」ということで、さっそく土地の鑑定に現れた業者もあります。

その他の出来事

【鉄道】
東京の山手線で、大崎~大井町の貨物支線を廃止。

1916年(大正5年)4月17日の出来事

飛田遊廓新設に関して

染谷 天王寺村村長の談話

遊廓の指定地は、ただ今耕地整理をやって、道路も碁盤の目のように修築中ですから、そのまま家を建てることができます。
遊廓新設については、いずれ村会を開いて具体的方法を協定する予定です。

上水道はおっつけ給水が出来るようになるので問題ないとして、南海鉄道に交渉して、恰好の場所に停留所をこしらえさせることが肝心です。これは無論、先方から進んでこしらえるでしょう。

困ったのは阿倍野墓地で、火葬場はぜひとも大阪市に移転を要求するつもりです。

市部編入ですか、どういたしまして、市から相談があっても、こっちはまっぴら御免をこうむります。天王寺村は、今でも4,200戸と2万以上の人口があります。市制施行の資格、人口3万人はすぐ手が届くでしょう。

まぁ遊廓ができれば、貸座敷業者だけでも200戸に近いでしょうし、これにともなう商売人がたくさん加わると、2~3千の人が増えるわけで、市制施行地になるのも遠いことではありますまい。

大阪府警察部長の一問一答

記者「新遊廓の認許は、どういう必要があったか」
部長「先年の大火で焼け出された難波遊廓の失業者126軒のうち、79軒がたびたび復旧を願ってきた。これらの失業者の中には、ずいぶん悲境に陥っているものもあるので、当局はその苦境を見て黙過しがたく、今回認許したわけである。」

「すると、当局は失業者を救助するために許可したのか」
「そうばかりではない。曾根崎新地の場合は、貸席だけは許すが、娼妓を置くことは絶対に許さずと、当時の書類にはっきり書いてあった。難波遊廓の方は、はっきりと言明していないので、今回適当な地と認めて許可したのである。」

「すると、大阪では現在の遊廓では不足を感じているので、新たに遊廓を増やしたということになるのか。」
「現在の遊廓だけで果して不足かどうかは分からないが、近年私娼が多いことから、その弊害を除くという意味も認許理由の一つである。また飛田の新遊廓は決して増やしたということではなく、以前失業した難波の遊廓を復活させてに過ぎない。」

「新遊廓の地価が暴騰して、復旧も移転も出来ないことにはならないか。また築港などにも新遊廓認許の説があるが、事実か」
「指定地と公表してから、にわかに地価が暴騰したのは事実である。あまりに高価だったら、当局は注意はするが、それ以上は干渉できない。よって地価が暴騰して手がつけられなかったらそれまでである。築港および北方面も調査したことはあるが、松島とかその他の遊廓が移転する場合がない限り、新遊廓の許可をする必要はない。」

その他の出来事

【外交】
石井菊次郎外務大臣が、袁世凱が引退の場合、日本で保護する旨を中国公使に打電

【経済】
日銀が利下げ実施(15日公表分)

【鉄道】
福島県で小名浜~江名駅間に馬車鉄道が開通

【イギリス】
水上機母艦「マンクスマン」が就役
1904年からフェリーとして使用されていましたが、徴用され水上機母艦に改装されて就役を開始しています。

この週に誕生日を迎えた人々

アン・サリバンヘレン・ケラーと同行中50
秋山 真之海軍少将48
渡辺 錠太郎陸軍中佐42
松平 恒夫外交官39
永井 柳太郎早稲田大学講師35
十河 信二鉄道院職員32
正力 松太郎警視庁警視31
ルカーチ・ジェルジ哲学者(予備兵)31
井上 日召南満州鉄道職員30
ニキータ・フルシチョフ鉛管工場の労働者22
西光 万吉画家21

索引語:アフリカ アメリカ イギリス 中国 地方 大隈重信 政治 産業 皇室 社会 科学技術 第一次世界大戦 鉄道 陸軍

Posted by 主筆 at 2016/04/18/14:25

follow us in feedly
このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事へ 次の記事へ