百年前新聞

2017-08-22

百年前新聞とは?

1916年(大正5年)4月25日~5月1日

大正5年4月26日

1916年(大正5年)4月25日

経済調査会官制の公布

経済調査会の官制が公布されました。
第一次世界大戦により、財政、経済に大きな影響が出ており、戦乱が長引くに従ってその影響はますます増大しています。

戦争が終了後、また大きな影響があるはずであり、あらかじめ対策を練っておくことが、調査会の目的です。

会長は首相の大隈重信、副会長は武富時敏大蔵大臣、河野広中農省務大臣です。

・その他の主な委員

江木 翼 (内閣書記官長)
幣原 喜重郎 (外務次官)
加藤 政之助 (大蔵省参政官)
町田 忠治 (農商務省参政官)
阪谷 芳郎 (貴族院議員、元大蔵大臣)
若槻 礼次郎 (貴族院議員、元大蔵大臣)
高橋 是清 (貴族院議員、元大蔵大臣)
渋沢 栄一 (実業家)
早速 整爾 (衆議院議員)
濱口 雄幸 (衆議院議員)
田 健次郎 (貴族院議員)
三島 弥太郎 (日銀総裁)
中野 武英 (実業家)
関 直彦 (衆議院議員)
片岡 直温 (衆議院議員)
井上 準之助 (横浜正金銀行頭取)
団 琢磨 (三井財閥総帥)

その他の出来事

【アイルランド】
・24日のダブリンでの蜂起に対し、イギリスが軍艦を差し向ける
・ドイツ海軍によるイギリス沿岸砲撃(アイルランド独立運動の援護射撃)

1916年(大正5年)4月26日

馮国璋が袁世凱の退位を勧告

馮国璋(ふうこくしょう)氏が、段祺瑞、黎元洪、徐世昌の3氏に宛てて、長文の袁世凱攻撃の電報を発しています。

関連記事:4月23日

出来事


ダブリンの市街戦を描いた絵

【アイルランド・イギリス】
イギリスの増援部隊がダブリン着。(イースター蜂起)
独立派との市街戦。

【アメリカ】
ニューヨークの公立学校で軍事教練を認めないと市教育局が決定。

1916年(大正5年)4月27日

アイルランド問題(イースター蜂起)

先日(24日)の独立派の蜂起に対し、アイルランド全土に戒厳令が布告されました。ダブリン以外にも、運動が波及したことによります。

イギリスのアスキス首相は下院で、
「反徒は今なお若干の建築物を維持し、市街戦が引き続き行われているが、アイルランドに対して十分な兵力を送っているので、鎮圧は間もない」
と述べています。

その他の出来事

【航空】
来日中の曲芸飛行家アート・スミスが、阪神の鳴尾で日本初の夜間宙返りを披露

【第一次世界大戦】
イギリスの戦艦「ラッセル」が、地中海のマルタに入港したところ、ドイツ潜水艦が敷設した機雷に触れ沈没。124名が死亡。

【中国】
孫文が、亡命先の日本を離れ上海に向かう。(5月1日着)

訃報:盛宣懐(清末の政治家・実業家)


Wikipediaより

1844年生まれ(漢族)、享年71歳。

1870年に李鴻章の幕僚となり、洋務運動の中心を担いました。

商船の建造、石炭事業、電信事業、紡績事業、鉄道事業、銀行、赤十字事業などを手掛け、天津に西洋式学校(現:天津大学)も設立されています。

1900年の義和団の乱では、清朝の列強への宣戦布告に対し、地方総督の不同意を取りまとめました。

1910年に国務大臣となり、鉄道国有化を推し進めようとしましたが、地方からの反発を招き、辛亥革命の発端を作ることになりました。

一時日本に亡命したものの中国に戻り、革命後は事業を継続されています。

1916年(大正5年)4月28日

黄興がハワイで演説


黄興

中国革命党の領袖黄興が、アメリカより帰国の途につき、ハワイに立ち寄りました。
ハワイでの革命大会に出席し、袁世凱の退任まで戦いを止めないと演説しています。

なお、黄興氏は当分東京に滞在し、時機を見て中国に戻る予定です。

出来事

【科学】
石原忍(36 陸軍軍医)が、徴兵検査用に「色盲検査表」を考案

【地方】
八幡製鉄所の上水道貯水池が崩壊、浸水1500戸、死傷者10数名、行方不明13人
参考サイト:八幡東区中央町周辺の史跡

【地方】
浜田港修築工事の竣工式
島根県知事等が出席。

【アイルランド・イギリス】
アイルランド独立軍が、司令部としていたダブリン中央郵便局から撤退。
付近の魚屋に新たな陣地を構築

【イギリス】
潜水艦「ソードフィッシュ」が就役。蒸気機関を積んだ、最新鋭の潜水艦。
(も、実用性に乏しかった様子)

1916年(大正5年)4月29日

飛田遊廓問題に対する原敬のコメント


28日に来阪した原敬(政友会総裁)に、大阪毎日新聞がインタビューを行なっています。新聞では、「すこぶる狡猾な応答ぶり」と評されています。

原敬のコメント

我輩に理想論を言えというなら、娼妓は一人もいない方が良いという以外ない。しかし実地問題として遊廓指定の可否を言明せよ、というのであると、それはとくと実際の事情を調べた上でなければ、判断はできない。

我輩は旅行中、新聞も十分に閲読していなかったので、今朝はじめて貴社の新聞で知っただけで、事情も成行きも知らないから、具体論は出来ません。

(記者が、内務大臣御在職中の問題では、と追及すると)

いや、少しも存じません。南区に大火があったことは知っていますが、遊廓問題は私の在職中に、なんらの稟議を受けたこともなければ、相談されたこともない。

(記者が、いったん指定した命令を取り消すことができるか、を問うと)

それはいわゆる指定、命令というものが、いかなる法規のどの条文によるのかを明らかにしないと、議論はできない。概括的に言えというなら、命令の権があるものに取り消しの権があるのは当然である。

ただこの問題は、この権利を濫用されては危険この上ないから、そこで行政訴訟の方法もあり、相当の制裁もあるわけである。遊廓指定問題も、根柢となっている法規を調べた上でなければ、議論は出来ない。

その他の出来事

【社会】
第3回日本エスペラント大会(9年ぶり開催)
ロシアより、”盲目の詩人”ヴァイスリー・エロシェンコが出席

【第一次世界大戦】
イギリス軍が、メソポタミア戦線(クートの戦い)でオスマン軍に対して降伏。
(昨年12月からの籠城)

【ロシア】
スホムリノフ前陸軍大臣が国家反逆罪で逮捕
(政争によるもの:関連記事 1915年7月15日

1916年(大正5年)4月30日

出来事

【陸軍】
制式一号飛行機が完成。最新鋭の牽引式エンジン配置の飛行機。
(が、上手くいかなかった)

【社会】
大杉栄が御宿滞在中の伊藤野枝に書簡を送る。
参考サイト:大杉栄、伊藤野枝

【アイルランド・イギリス】
アイルランド独立軍が、イギリス軍に降伏。(イースター蜂起終了)

独立軍1,200人に対し、イギリス軍17,000人の圧倒的な兵力差があり、アイルランド共和国”臨時大統領”パトリック・ピアースは、これ以上の戦闘は犠牲者が増えるだけ、と無条件降伏をしました。

ダブリン市民も、独立支持派とイギリス内での自治派の二つに割れており、市民からの積極的な支持を受けることができませんでした。

【社会】
ドイツが、世界で初めてサマータイムを採用。
(第一次世界大戦の影響、日照時間を活用してエネルギー消費を抑える)

【訃報】
マイケル・フォックス・ビーチ(イギリスの政治家)
1837生まれ、享年78歳。

1895~1902の第二次ソールズベリー内閣で財務大臣となり、ロシア帝国主義の牽制を主張。またボーア戦争に対応し、所得税の増税、印紙税の導入、穀物関税の導入を行なっています。

日付ははっきりしないが4月の出来事

【日本】
・海軍工廠が、機関大尉中島知久平の設計による国産初の水上機を制作
・三菱がニューヨーク出張所を新設
・三共が東京製薬を合併
・鈴木商店が播磨造船を買収
・深川の和親長屋が和洋折衷のハイカラ貧民長屋として評判。52坪2階建て、合計176戸。家賃は3銭5厘/日、月は95銭。共同台所と内職場
・鳥打帽に変わって中折れ帽が流行。
・三島海雲が醍醐味合資会社を設立(カルピスの前身)

【海外】
・トルコ軍がペルシャ西部に侵入
・ドイツ社会民主党左派が、独立社会民主党を結成
・旅順の宗社党が、満蒙独立を計画

1916年(大正5年)5月1日

出来事


カール・リープクネヒト

【社会】
アメリカ人曲芸飛行家アート・スミスが名古屋でも飛行

【産業】
日本陶器の小倉工場が建設開始。(現在のTOTO)

【文化】
根岸興業部が傘下の常盤座、金龍館、東京倶楽部の共通入場券を発売。(浅草六区)

【中国】
広東・広西護国軍、岑春ケン(ケン:火へんに宣)を司令に軍司令部を組織。


【第一次世界大戦】
・ベルリンで大規模な反戦デモ。指導者のカール・リープクネヒト(スパルタクス団)が逮捕される。
・ヴェルダン戦のフランス第2軍司令官に、ロベール・ニヴェルが就任

【イギリス】
戦艦「ロイヤル・オーク」が就役


ロイヤル・オーク

この週に誕生日を迎えた人々

濱口 雄幸衆議院議員(同志会)46
吉岡 弥生東京女子医学専門学校校長45
グリエルモ・マルコーニ発明家、イタリア軍無線責任者42
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインオーストリア軍従軍中27
ヨアヒム・フォン・リッベントロップドイツ陸軍従軍中23
ルドルフ・ヘスドイツ陸軍従軍中22
ニコライ・エジョフロシア軍従軍中21
エルンスト・ウーデットドイツ空軍従軍中20
昭和天皇皇太子15

索引語:イギリス 中国 健康・医療 原敬 地方 政治 文化 産業 社会 第一次世界大戦 経済 航空 訃報

Posted by 主筆 at 2016/05/02/14:36

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