百年前新聞

2018-01-22

百年前新聞とは?

元老会議、第二次イゾンツォの戦い終了ほか

大正4年8月4日

1915年(大正4年)8月3日の出来事一覧

【政治】大隈内閣辞職に関する元老会議
【経済】横浜正金銀行 シドニー出張所を開設
【社会】第一回全国幼稚園関係者大会の開催
【第一次世界大戦】第二次イゾンツォの戦い終了
【第一次世界大戦】イギリスがロンドン宣言に日本の加入を打診

<国内>

大隈内閣総辞職関連

元老会議開かれる

3日午前より宮中内大臣府において、元老会議が開かれました。
出席者は、山縣有朋公爵、大山巌公爵(内大臣)、松方正義侯爵の3名です。井上馨侯爵は、病気療養中のため不参加となっています。

会議では、11月の大正天皇の即位の大礼の前であり、政変が望ましくないことから、大隈内閣の留任を勧告することが決まりました。

山縣、大山両公が首相を訪問

午後2時15分、山縣、大山両公が首相官邸を訪問、午前中の元老会議の内容を大隈首相に伝えました。

両公は、「監督不行届きに過ぎずとすれば、辞職するほどのこともなかるべし」と大隈首相に留任を勧告。
大隈首相は辞意が固いことを述べますが、ともかく熟考すると回答しました。

午後4時50分、両公は首相官邸を退出。

総辞職か留任か、大隈首相の心が揺れています。

加藤外相が首相訪問

元老よりの勧告を受け、副首相待遇である加藤高明外相が午後8時大隈邸を訪問。
今後の対応に関して協議しました。

加藤高明は元老の介入を嫌っており、一旦内閣で総辞職を決めたのであれば、あくまで総辞職を主張。
大隈首相も元老の勢力を削ぎたい気持ちはありますが、留任に心が傾いていると思われます。

二人の間では結論がつかず、この問題は今後の閣議に委ねられることになりました。


横浜正金銀行 シドニー出張所を開設

横浜正金銀行が、シドニーに出張所を開設しました。
日本人の活躍が、豪州まで広がっている証拠です。

第一回全国幼稚園関係者大会が開かれる

御茶ノ水の東京女子高等師範学校において、初のフレーベル会主催の全国幼稚園関係者大会が開かれました。

沖縄、朝鮮、中国を含む273の幼稚園ならびに数か所の小学校から、515名が参加。
参加者のほとんどは女性で、外国人が3名いました。

中川謙二郎校長兼フレーベル会会長の挨拶により開会。
幼稚園保母養成の適当なる方法、幼稚園と小学校の連絡に関する適切なる方法、の2点を中心に、活発な議論が展開されました。

中には、「幼稚園教育にも男女が必要である。保母の名前を改めたい。」という意見もありました。

会期は、8月5日までの3日間の予定です。


<海外>


欧州戦争関連

第二次イゾンツォの戦い終わる

7月18日から17日間に渡って繰り広げられてきた、第二次イゾンツォの戦いが終了しました。

開戦当初の軍勢は、イタリア軍25万に対し、オーストリア軍7万8千人。
オーストリアの陣地に張り巡らされた鉄条網を切るハサミ等の器具が不足しており、イタリアは数の優位を生かせず、わずかな陣地を獲得したのみに終わりました。

この戦闘では弾薬等も不足、両軍入り乱れて、銃剣、ナイフ、棍棒、空き缶なども使用した、すざまじい白兵戦が繰り広げられました。

イタリア軍の死者は41,800人、オーストリア軍の死者は46,600人。(*)
負傷者を含めると、両軍の損害は約10万人に上ります。
特にオーストリア軍は、約2/3の兵が死傷する大変な事態です。

弾薬が不足したため、戦闘は一旦終了。
イタリア軍のルイージ・カドルナ将軍は、武器と人員の補充を待って、再攻撃を仕掛ける予定です。

(*数は資料により差異があります)

その他の戦局

・ドイツ軍がワルシャワを攻撃
・アルゴンヌの森で、ドイツの攻撃失敗

イギリスがロンドン宣言に日本の加入を打診

イギリスの外相グレー氏は、ロシア外相サゾノフの依頼を受け、日本の井上勝之助駐英大使に、日本のロンドン宣言への加入を打診しました。

ロンドン宣言とは、ドイツ、オーストリアに対して、イギリス・フランス・ロシアが単独で講和をしないという宣言です。

ロシアは戦局が思わしくなく、ワルシャワの陥落が目前となっており、西側方面からの武器弾薬の供給が見込めない状態で、日本からの武器弾薬の供給が頼みの綱になっています。

また日本の政変により、グレー氏との関係も深い加藤高明外相が閣外に出る可能性が高くなっており、日本の態度が変わらないよう担保を取っておく必要性も出てきました。

連合国側で日本の地位が高まっていることの表れと見ることも出来ます。

<あの人この時>

訃報

ジョン・ロス(73)
イギリスの宣教師で、中国東北部を中心に布教。新約聖書をはじめて朝鮮語に翻訳した人物です。


索引語:イギリス ロシア ドイツ 教育 第一次世界大戦 宗教 産業

Posted by 主筆 at 2015/08/04/12:56

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