百年前新聞

2018-04-22

百年前新聞とは?

インド革命党員ボースらに退去を命ず、聖上還幸ほか

大正4年11月29日

小林清親画 於黄海我軍大勝す


大正4年(1915年)11月28日の出来事

【皇室】聖上還幸
【政治】国民党、中正会の党大会
【教育】東京女子高等師範学校の開校40周年前日
【経済】卵が安い
【社会】インド革命党員2名に国外退去を命ず
【社会】逃亡ドイツ人捕虜の行方
【訃報】小林清親 (浮世絵師、版画家)
【訃報】ムバーラク・ビン・サバーハ・アッ=サバーハ(クウェート首長)

国内

聖上還幸

大正天皇は午前6時30分、大元帥の正装で名古屋離宮を出発。
名古屋では、第三師団、在郷軍人、学生等が参集し、奉送しています。
午前7時30分、御召列車に乗車され、帝都へ向かわれました。

一方、東京では一般市民は新橋駅で乗降することとし、東京駅は駅の清浄に努めています。

午後4時30分に東京駅に到着され、皇族や元老松方正義、東郷平八郎元帥、各国務大臣等が出迎えました。
一般市民の奉迎や約10万人で、皇居付近は溢れんばかりの人となっています。

午後5時50分に、陛下は3週間ぶりに皇居に戻られました。

国民党、中正会も党大会

前日の政友会、同志会に引き続き、国民党(犬養毅)、中正会(尾崎行雄)も党大会を行なっています。

第二野党の国民党大会では、「現内閣は、内外ともに確固たる方針はなく、議会で非違を糾弾する」宣言が行われました。

東京女子高等師範学校 開校40周年

東京女子高等師範学校(*御茶ノ水大学の前身)が、開校40周年、男女分離独立25周年を迎え、29日に記念式典を行う予定です。
この40年で、卒業生は2,005名を数えます。

関根正直氏の談

通常ならば皇后陛下の行啓を仰ぐのだが、御慶事のため、伏見の宮王妃殿下を招くことになりました。

皇后陛下は御幼少の御時、本校の幼稚園に御入園あそばされ、九条家の御姫様方はいずれも御入園あそばされています。

昭憲皇太后には、開校の際、その後も、たびたび行啓あそばされ、種々の下し物を賜っています。

インド革命党員に退去を命ず

インド革命党員と思われるハランバ・エル・グプタ(31)、ピー・エヌ・タクール(30)(*ラス・ビバリ・ボースの変名)に対し、12月2日限りで国外退去すべき旨、西久保警視総監より命令書が交付されました。

在京のインド人の間では、日本政府の外国の国事犯に対する措置は妥当を欠くと、不満の声が聞こえています。

ドイツ人脱走捕虜の行方

先日、福岡捕虜収容所を脱走したドイツ人2人の足取りが判明しました。

ストレーラ中尉は17日に逃走。下関からフランス人と称し、プサンに渡っています。
ウィンクステルン少尉は19日に逃走。同様に下関からプサンに渡っています。

門司署では、北京に逃げたものと考えています。

卵が安い


卵が安くなってきました。

卵の価格は、産む卵の数によって決まり、例年10月から11月にかけて、真夏には産卵が減り、卵が高くなります。
春先はたくさん卵を産むため、値段は安くなります。

粒1個は3銭から4銭5厘までで、卵の大きさによって価格が異なります。

海外

中国での連合国加盟世論

イギリス、フランス、ロシアから、世界大戦への参加を打診された中国では、

・日本を牽制するため連合国に加盟すべき
・日本を刺激しないよう、連合国には加盟しない方が良い

という、日本との関係に関し2つの世論があります。

この内の後者と、親ドイツ派が結びついており、連合国への非加盟の世論が優勢な状況です。

カナダで小麦の徴発

イギリス本国からの要求に基づき、自治領カナダでは小麦を徴発する命令を発しました。
徴発された小麦は、イギリスへ送ることが出来るよう、東海岸に集められます。

このとき

出来事

新潟県長岡市の信濃川にかかる長生橋が再建されました。
前年の洪水により橋が流されていたための再建で、日本最長872mの木橋です。

訃報

小林 清親 (版画家、浮世絵師)


日露戦争風刺画

弘化4年(1847)生まれ、享年68歳。

江戸の幕臣に生まれ、鳥羽伏見の戦いや、彰義隊にも加わりました。
江戸城引き渡しの後は、徳川慶喜について、静岡に移住しています。

その後、画家を志し、西洋画を取り入れた日本画で流行作家となります。
『團團珍聞』や、新聞や雑誌に描いたポンチ絵も人気を博しました。

日本画に、時代の流れを取り入れた方です。


ムバーラク・ビン・サバーハ・アッ=サバーハ(クウェート首長)


1837年生まれ、享年78歳。

クウェート首長の家に生まれますが、兄に疎まれてインドのボンベイで生活することになります。そこで、イギリス人との交流が生まれました。

クウェートに戻り、クーデターにより1896年に首長となります。
イギリスとの親交により、オスマン帝国のバスラ州の一部だったクウェートを、イギリス保護下の一国家に仕立て上げました。

誕生日

寺田 寅彦 (37) 東京帝国大学理科助教授、夏目漱石門弟
シュテファン・ツヴァイク (34) オーストリアの作家、戦争への疑問が生まれてきている頃


索引語:インド 中国 イギリス 中東 教育 政治 文化 事件 第一次世界大戦 経済 統計情報 訃報

Posted by 主筆 at 2015/11/29/02:36

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